7/5~7/6 青果部会連絡協議会 GAP視察研修に同行しました。

日時 7月5日~6日

場所 1.帯広川西農業協同組合

   2.十勝農業協同組合連合会

 

 

 

1.GAPとは一体??

 

 GAPの概要

 最近耳にするGAP。そもそも、GAPとはどんなものなのでしょうか。まず簡単にGAPについてまとめてみたいと思います。

 農林水産省によると、「農業生産工程管理(GAP:Good Agricultural Practice)とは、農業生産活動を行う上で必要な関係法令等の内容に則して定められる点検項目に沿って、農業生産活動の各工程の正確な実施、記録、点検及び評価を行うことによる持続的な改善活動」と定義されています。

 昨今の食中毒事件など、消費者が不安となる事件が頻発しているなか、そういったリスクを生産者自らが回避できるようなシステム導入が急務でした。そこで新たなリスクマネジメントのツールとして考えられたのがGAPだったのです。

 

 

2.ツールとしてのGAPってなに??

 

 ここでいっておきますが、GAPはあくまでもスタートラインである ということを念頭においてください。

 筆者の鈴木も研修に参加するまで、GAPの必要性や重要性については無知でした。また、取り組みも難しいのかな?大変なのかな?などとネガティブな印象であったことも事実です。しかし、GAPの組織的導入に先進的な帯広を視察して、これは何歩も出遅れているぞ!これは最低限の生産者のマナーじゃないか!!と焦りを隠せませんでした。

 そんなGAPっていったいどんなものなのでしょうか??

 従来の農産物の品質保証は、結果管理に基づくものでした。つまり、生産者が適切であろうと解釈した農薬を使用し、その生産物を収穫。その収穫物から残留農薬が検出され、作物は出荷停止、消費者には不信感といった大きな被害が出ていました。

 この管理方法では、双方におおきなリスクが生じるため、生産工程を管理し品質を保証する予防型の管理システムが有効的ではないかという考えから、GAPが誕生しました。

 

 その工程として以下の項目に基づき品質管理を目指していきます。

 1)正しい農薬の選択

 2)正しい農薬の使用

 3)農薬散布機の洗浄

 4)農薬使用の記録

 5)収穫後の衛生的な取り扱い

 6)狙いを定めた的確な残留農薬検査

         ↓

 「信頼性の高い生産管理体制で保証を目指す」

 

 

 

3.日本におけるGAP導入の経緯

 

 1997・・・GLOBALGAP設立(世界基準のGAP)

 2002・・・イオングループがGAP普及を開始

 2005・・・JGAPが普及を開始

 2005・・・日本生活協同組合連合会がGAPを開始

 2007・・・農林水産省が基本政策にGAPを盛り込む基礎GAPを発表

 2010・・・GAPを発表の基礎基盤に関するガイドラインを発表

 

 この年表のとおり、欧州で制定されたGAPに関するガイドラインの制定から10年遅れで、我が国の農林水産省がGAPについてガイドラインを制定したことがわかります。そして、大手のイオングループは欧州の流れのわずか5年後に、自社GAPを導入し品質管理保証に努めてきました。

 

 

4.GAPの利点とは?

 

 では、GAPのメリットって一体どこにあるのでしょうか。これだけの大手メーカーが導入してきた理由は一体どこにあるのでしょうか。GAPには、手軽に取り組める地域GAPから第三者機関の審査が必要であるJGAPやGLOBALGAPなどの、取得が難しいGAPが存在します。当然JGAPなどのお墨付きを取得すれば、販売におけるPRのツールとして活躍することは間違いありません。

 以下の写真は、JGAPを取得した農業組織の管理状況の一例です。

 

 (1)生産者の立場として

   

   1)適切な生産工程管理により農産物の安全性、作業の安全性が高まり経営上の         リスクが減る。

 

   2)作業の効率化資材の無駄がなくなる。

 

   3)認証が取得できる高度なGAPに取り組めば販売先に強くアピールできる。

 

 

 (2)流通業者、消費者の立場として

   

   1)農産物を購入する際、安全性を確認できる。

 

 

 

 

5.GAP導入で十勝ブランドを確立(十勝農協連の十勝型GAP)

 

 地域GAPの中で最も規模が大きく、組織的に取り組んでいる十勝型GAP。これは帯広の各単協をまとめる十勝農業協同組合連合会が主導で行っているGAPです。十勝型GAPのガイドラインを農協連が制定し、各単協に指導、実践を徹底させて十勝のさらなる飛躍に貢献しています。

 これほど指揮系統が明確でスピーディーに実践できているのは十勝だからです。目的意識が非常に単純で明確なのです。オホーツク地域が見習うべき課題でしょう。

 十勝型GAPの利点としては、そのスケールにあります。統一されたGAPを管内全農協で取り組むことによって、十勝の食の安全・安心と、十勝ブランドを強調できるからです。この「すごみ」を感じたのはおれだけかな??いかんせん3歩くらい先を見てる感じがしました。

 

 

 

6.まとめ

 

 青果部会連絡協議会の研修に同行させてもらい、GAPの現場を拝見できたことに感謝しています。

 十勝の取り組みに感銘を受け、こういった取り組みは十勝だけではなく北海道全体で取り組んで、北海道ブランドを強化していきましょう!という農協連の方のお話にも共感しました。個にとらわれず、目を外に向け、保身にとどまらない十勝の取り組みは、今後北海道全体に広がっていくのでしょう。そこにすでに着目し、情報をシェアしていくべきだと提言している農協連の考え方に、輸入自由化にも負けない姿があるのではと、筆者は思いました。

 

 GAPはあくまでスタートラインにしかすぎません。HACCAPを取得したからといって、農林水産省の輸出促進対策に沿うわけでもありません。あくまでそれもスタートラインの一部なのです。しかし、始めないと何も始まらないのです。

 

 GAPに関する情報は、JAオホーツク網走でも取り扱っております。また、農政委員会で勉強会を昨年開催いたしました。もっと詳しく知りたい方は、勉強会のさらなる開催などなどご意見をいただけたら幸いです。

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