ドローン防除って知ってる?
農家が作物を作るにあたり大事な管理作業『防除』。農薬を散布する事で作物を病気から守り、虫から守る。そんな防除に今ドローンが活用されてるのはご存じですか?
防除は基本的にトラクターにスプレヤーという機械を取り付けて行われています。
ですが雨の後とかですとどうしてもトラクターが畑でぬかるみ、畑で最悪はまってしまう事もありえてきます。
そんな状況を打破する打開策として無人ヘリコプター防除、そして今ドローン防除が注目されています。
今回は有限会社レイブプロジェクトの請川さん、シュートテックの松田さん、スカイリンクの佐々木さんにお越し戴き、お話を伺いました。
1・ドローンの歴史
平成元年より水稲用に無人ヘリ防除の開発が始まり農水省とメーカーが開発を進め、ヤマハが初めて『R-50』という機種を開発しました。その後、様々なメーカーがヘリを開発しましたが現在はヤマハとヤンマーの2社だけとなっています。
そして、近年マルチローターのドローンの高性能化により産業用ドローンの開発が進められ農業にも活用できるのではないかという事で現在ではクボタ、ヤンマー等が農業用ドローンを推し進める中、今回はドローン世界シェア1位のDJIという会社が開発した 『MG-1』という機種を紹介していただきました。
2・ドローンの性能
今、ドローン防除では約1ha当たり8分位で防除する事が可能となっており、1日で約40haの防除をすることが出来ます。
着陸から薬の補充、バッテリーの交換、そして離陸まで約27秒で行うことが可能となっています。
更に重量は10kg(バッテリー除く)と非常に軽く1人で積み込み積み卸しする事が出来ます。請川さんいわくこの『機動力』の高さがドローンにとって重要になってくるのです。
ドローン防除ですとスポット状に行う防除にも優れており、カメラで病気株を判断しそこに散布することも可能とのことです。更にデータとして圃場をどのように進んで防除したかまで記録に残すことが出来るとのことです。
そして、コストの面でも昨年1年で700ha使用し交換した部品はプロペラのみとのことで非常に安価になっているそうです。
それと、ドローンでは液剤散布だけではなく粒剤散布もオプションでつける事が可能で使用可能な薬に制限はあるもののタンク容量は10L(kg)で今後種子、肥料についても
運用可能予定とのことです。吐出量は1kg/minとなってます。
3・ドローンの課題
そんなドローンなのですがまだまだ課題も多いようで、例えばGPSによる自動運転が可能な所まではきているのですが風によるドリフト問題(風で横の作物にかかってしまい悪影響を及ぼす事)等本当に自動運転が全て良いのか、アナログ運転にはアナログ運転の良さがあるのではといった事が問題視されているとの事です。
それにまだ使用出来る農薬にも制限があるとの事ですが請川さんによるとこれからどんどん使用出来る農薬は増えていくだろうとのことです。
4・ドローンの資格、免許
ちなみにドローン防除をおこなうには5日間の講習(座学、実技、試験)があり約25万円かかるとのことです。講習を行うには行いたい地域を登録し農水省に申請するとその場所で講習を受ける事が出来ます。実技でしっかりコントローラーの持ち方など基礎を1から学び確かな運転技術を学ぶ事によりコスト削減にも繋がっていきます。
今回はドローン防除という点に注目しご紹介いただきましたがドローンは畑を見ることはもちろん粒剤散布等まだ様々な可能性を秘めた機械だと感じました。
次世代農業の一端を担うかもしれないドローン防除、皆さん今後も是非ご注目を!
MG−1の紹介映像はこちらから
↓↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=0C8kOGZttqM